アメリカ経済 → 為替への影響

アメリカ経済の変化 → 金利に要注意
金利に敏感なアメリカ経済
アメリカ経済の七割を占める個人消費は一般的に所得以上に消費する体質があり、金利には敏感である。
貯蓄率がマイナスになることもあり、ローンでの買い物が多く、利上げの場合、個人消費の伸び率 にすぐ表われ、景気に影響する。
低い家計貯蓄率は慢性的な経常収支赤字の原因のひとつであり続けている。

FF金利の説明
日本でコール市場に相当する同様の市場は、アメリカではFF(Federal Funds)市場とよばれており、 そこで決まるFF金利(フェデラル・ファンド金利)はFRB(米連邦準備制度理事会、議長はグリーンスパン)がFOMC(連邦公開市場委員会)と呼ばれる政策決定会合を定例で年8回開催し、短期的な金融政策を決定する。 市場金利をコントロールするための金融調節で、FF金利を誘導するという金融政策を行う。
強いドル政策
経常収支の赤字をを穴埋めし、これまでの好景気を支えていたのが、ユーロ圏(昨年:4041億ドル)や日本(525億ドル)をはじめとした海外からの資金流入です。 (流出 ユーロ圏:1829億ドル 日本:332億ドル)
よって高金利を維持しなければならず、しかし一方では金利政策で金利を下げて株価至上主義といえる株式市場の下落と景気の悪化を止めることが関心事で、米国からの資金流出には最も警戒しており、おのずから「ドル高政策」をとらざるを得ないともいわれています。
アキレス腱は経常赤字(昨年:4174億ドル)に景気悪化が重なり「ドル安が誘発」されることです。
ドル安懸念 → 米国債売り(安) → 長期金利上昇 → 株売り(安)を招くトリプル安を避けたいのだ。
ドル安 → 資本流入減少 → 株安 → 一段の景気悪化というパターンも考えられます。
また、景気の減速から、米国輸出企業を中心に産業界から「ドル高政策」の批判もある。


最近の発言(2003.6.13)・・・緩やかなドル安への政策転換か?
5月6日:FOMC後にスノー財務長官ドル安を容認するともとれる発言をしました。
これはドル安による米輸出の収益拡大を通じて、デフレ懸念の高まっている米国経済の悪化を未然に防ぐ意図があったものと見られます
6月1日:ブッシュ大統領はエビアンサミットにおいて「強いドル政策」を維持する旨の発言をしています。
この発言の本質は、昨年約5000億ドルの高水準に達した経常赤字をファイナンスするためには、ドルを高い水準で維持することが不可欠であるという考えに基づくものと見られます。
なお「強いドル政策」の発言は日欧の首脳に対するリップサービスという見方もあります。
参考・・・ITバブル
98年のロシア危機で世界は協調して金融緩和を行った。
その結果、流動性拡大 → 米株高 → 米ハイテクブーム → 世界経済の好転 となった。
しかし、今や米ハイテクブームはバブルだったことは明らかで、米国のハイテク投資を中心とした好循環は終わったと言える
アメリカの好景気を支えてきたのはITの設備投資の急増であり、過剰投資のツケとなり企業の収益を圧迫したのである
FRB金融政策
米国FRB金融政策 NIKKEI NET
米国FOMCの政策履歴 メイタン・トラディション(和文)

アメリカ経済統計解説(和文)
東海東京証券米国統計一口解説集
米国の経済統計トップ10: 日興アセットマネジメント

アメリカ経済カレンダー
オリエント・トラディションFX経済カレンダー アメリカ+日本経済のタイムテーブル(和文)
ひまわり証券マーケットカレンダー(和文)
Yahoo!/Briefing Economic CalendarEconomic Calendar Terms
Briefing.com:Economic Calendar

アメリカ経済・景気情報
米国経済の動向米国GDP NIKKEI NET
エコノミー&マーケット「歌右衛門のホームページ」 株式・経済・為替リンク集

為替変動要因(和文)
円相場の足取り「りそな大和銀行」 JPY/USD 日次データと市場コメント
      
参考
米国企業決算 NIKKEINET

資金がどこに行くかで為替は動きます
アメリカに資金が入って来ると、外為市場でドルを買うことになりますから 『ドル高:円安』要因になります。
逆にアメリカの株や資産を売って海外へ資金が逃げ出すと、ドルを売りますから 『ドル安:円高』。
また、株式市場が不安定な時は、公社債へ向かうことも少なくない。


為替 アメリカ株価への影響
ドル安円高 ドル高円安





実需面 アメリカの景気が拡大→アメリカの輸入が増加・輸出余力が減少(輸出ドライブを弱める)→ドル売り・円買い
ドル安により輸入物価中心にインフレの火がつかないともいえない
  企業収益の上方修正により株価が上がり、また資金需要も増え金利も上がりやすい。
資本移動   アメリカの景気が拡大→金融引き締め→金利が上昇→アメリカに資本流入→ドル買い・円売り
モノ
カネ
景気のニュースも、モノの貿易の面から解釈するのか、資本移動というカネの面から解釈するかによって、 円相場に与える影響はが反対になる。
雇用統計
失業率

下がる
景気の指標として雇用統計(失業率:新規失業保険申請者数、非農業雇用者数)がよく注目され、その時の情勢により逆に動くことがある。
雇用情勢により例えば、雇用の強さ→賃金の伸び→経済の強さ・景気の加速→インフレ懸念
雇用統計が予想以上であれば アメリカ株価の下落要因になる。
左記、参照
金融当局が金融引き締めに動く→金利上昇予測→アメリカ株価の下落要因→アメリカからの資金流出懸念→ドル安円高 金融当局が金融引き締めに動く→金利上昇圧力→アメリカへの資金流入→ドル高円安につながりやすい
物価上昇
実需面 アメリカの物価が上昇→日本製品に比べて割高→輸入増加→ドル売り・円買い   アメリカ株価の下落要因になる。
左記、参照
資本移動   アメリカの物価が上昇→インフレ対策として金融引締め→金利が上昇→海外から資本が流入→ドル買い・円売り
モノ
カネ
日本の巨額の貿易黒字が政治的に注目される場合はモノの面に注目し、ドル安・円高を引き起こしやすく、
日米金利差の拡大で、カネの面に注目している場合は資本移動を通じてドル高・円安に進むことが多い。
但し、金融引き締め(金利上昇)で株式市場が大幅下落またはその予想となれば、ドル安・円高になるこもあります。
金利上昇
予想段階 長期金利の上昇の予想→手持ちの国債価格の下落→キャピタルロスの予想→アメリカ国債の売却増加→アメリカから資本が流出→ドル売り・円買い
金利の上昇の予想→株価下落の予想→キャピタルロスの予想→アメリカ株式の売却増加→アメリカから資本が流出→ドル売り・円買い
  アメリカ株価の下落要因になる。
左記、参照
政策実行   長期金利の上昇→アメリカに資本が流入→ドル買い・円売り
金利の上昇→株価の下落→株価が割安→アメリカの株式購入が有利になる→アメリカに資本が流入→ドル買い・円売り
実際
動き
FEDの金融引き締めの予想が発生したときには、一時的に生じるドル安・円高よりも
将来実行された場合に生じるドル高・円安を材料にし、現時点ですぐにドルを買うことが多くドル高・円安を生じさせます
また、金利上昇の幅が、事前の予想と、ニュース発表との乖離の差に応じて評価され、よりドル高・円安にもドル安・円高にも変動します
例えば、金融引き締め(金利上昇)で株式市場が大幅続落またはその予想となれば、ドル安・円高になるこもあります。
ソフトランディングかハードランディグかで違ってくる。


アメリカ株価 → 為替・日本の株価への影響


為替日本の株価への影響
ドル安円高ドル高円安
株価上昇
実需面 株価の上昇→資産効果→アメリカの輸入が増加→ドル売り・円買い   アメリカの株価が上がり、特にナスダックと日本のハイテク関連の株価は部品供給や、シリコンサイクルの関係で連動性が高く、上がりやすい。
また海外の株式市場が上がると、日本株への投資余力も増えるので、買われる要因になる。
逆に、下がると生じた損失を、他の国、例えば日本の株式売却で埋め合わせようとする。
資本移動   株価の上昇→アメリカの株式市場に資本流入→ドル買い・円売り
モノ
カネ
株価のニュースも、モノの貿易の面から解釈するのか、資本移動というカネの面から解釈するかによって、 円相場に与える影響はが反対になる。
日米の個人金融資産と有価証券比率を比較してみると、米国では保険・年金は30%近くとなっているが、「現金・預金」は15%強に過ぎない。 株式は21.2%も占め、有価証券全体では37.4%に達する
これに対し日本は定期性預金等が50%近くを占め、これに現金を加えて、「現金・預金」で60%以上となる。 次いで、保険・年金は同水準の割合となっている。株式が4.8%、その他有価証券(主として債券)が2.5%、投資信託が2.3%と、 有価証券全体でも10%に満たない。
また株主構成比率をみると、時価総額ベースで、米国は40〜50%であり、日本は約19%である。

米国は株価の上昇による資産効果が大きく、それが個人消費を刺激して好景気をもたらしている側面が強い